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第566回 ベトナムの若人にとって会社は最高の訓練場

ベトナムのドンナイ省にある富士通ベトナム工場で
工場の概要について説明を受ける中で、
私達は、大勢のベトナム人社員が一同に会し、
にこやかな笑みをたたえているところが
写された一枚の写真を見せていただきました。

この写真が撮られた場所は
兵庫県明石市にある富士通明石工場で、
この工場は1983年(昭和58年)に
プリント基板の量産工場として立ち上げられています。

それから12年後の1995年(平成7年)に
ベトナム工場でプリント板ユニットの製造が始まり、
翌年の1996年(平成8年)にプリント基板の
製造が始まっています。

おそらく、この時期に製品の製造に携わった
ベトナム人の男女の社員が、事前の訓練を
受けるために明石工場に行き、そこで
必要な訓練を受けたのだと思います。

この工場のDirectorである新居さんは、
この工場を立ち上げる時から
ずっとかかわってこられた方ですが、
新居さんによれば、ドンナイ省というところは
農業が中心で、当地の若い人にとっては、
仕事といえば畑に出て農作業に精を出すことで、
会社に勤めて仕事をすることと
畑に出て農作業することの違いがわからず、
社員として必要なことをを習得してもらうのに
かなり時間がかかったとのことでした。

この話を伺いながら、当事者の人たちのご苦労は
並大抵のことではなかっただろうと思いました。
そして、同時に、ベトナムの若人にとって
会社というところが、自分達が工業生産に必要な
知識や技能や管理技法を身につける最高の
自己訓練場になっているのだろうと思いました。



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執筆者:戸田敦也(2007年03月04日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com