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第412回 「食は広州に在り」を実感しました

私たち夫婦はメニューを見て
焼き飯などいくつかの料理を注文しました。
しばらくしてテーブルにサーブされた
焼き飯を食べ、自分が子供であった頃、
神戸の元町の広東料理店でいただいた
焼き飯のことを思い出しました。

私は淡路島の北端、
いま本州と橋が架かっている
岩屋というところで育ち、
船と電車に乗って、神戸に
連れて行ってもらいました。

連れて行ってくれたのは父親と
私の家の前で開業していた
橋平さんというお医者さんのご夫妻で、
橋平先生はお子さんが、おられず
私をわが子のように可愛がり、
よく神戸や西宮に連れていってくれました。

父親は商売がたいへんだったのでしょう、
神戸に行っても連れて行ってくれる食べ物屋さんは
働く人が通うようなお店が多かったのですが、
橋平先生が連れて行ってくれるお店は
超一級のおいしい料理屋さんです。

甲子園球場に行ってプロ野球を観たりしたとは
そのあと神戸に立ち寄り、元町で
広東料理店にとく連れて行ってもらいました。

そのときいただいた焼き飯や肉団子が
この世のものとも思えないくらい美味しいものでした。
そのことを今でもよく覚えていて
大きくなってから神戸に行くたびに
夢も今一度とトライするのですが、
小さいころいただいた料理に
出会うことはありません。

ですから、もうすっかりあきらめていたのですが、
広東で何気なく入ったレストランで
焼き飯をいただいたとたんに
神戸の広東料理店でいただいた
焼き飯のことを思い出しました。

味が同じなのです。
やっぱり『食は広州に在り』だと思いました。
そしてどうやって、この広州の味が
神戸に伝わったのかしばし空想しました。

香港経由で神戸に伝わったのだろうか、
あるいは直接伝わったのだろうか、
探求したい新しいテーマが生まれました。



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執筆者:戸田敦也(2006年09月29日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com