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第367回 日本人は労働力を付加価値の創造に集中

資源も資本もない日本が
世界のトップレベルの国になったことは
世界の注目を浴びる大きな出来事です。

日下公人さんは、
日本人の生きたいという意欲と努力が、
資源がないとかの条件を克服したと
説明してくださいました。

また邱永漢さんは
「何が日本人を世界1の金持ちにしたか」
という意識から『付加価値論パートⅠ』を書き
そのまえがきで、次のように説明してくれました。

「資本も資源もない戦後の日本では、
9千万人の人口を養っていくために、
外国から原料を輸入して、それを製品にして再輸出し、
手間賃を稼がなければならなかった。
皆が無我夢中になって、そうした付加価値の創造に
従事した。

最初の頃は『安かろう、悪かろう』と
バカにされたメイド・イン・ジャパンであったが、
いつの間にか世界中から信頼される良質な商品となり、
それをつくり出した日本人は一躍、
嫉妬や羨望の的となった。

その秘密は一体、どこにあるのか。
なぜ資本も資源もなかった国の人たちが
世界一の富裕国になれたのかに、
興味をいだくのは私ひとりであはるまい。
(中略)

日本人のつくり出した富も、
基本的には労働力の所産であり、
その点では私も『富は労働のつくり出すもの』
というスミスやマルクスの見解に異存を唱えるものではない。

しかし、日本人の成功は労働力を『付加価値の創造』に
集中させた結果であり、それは主として工業化によって
もたらさたものであるから
『工業化に成功した者が金持ちになる』
という新しい法則が誕生することになった。」
(『付加価値論パートⅠ』平成元年)

このように邱さんは、日本人は労働力を
『付加価値の創造』に集中させたことで
世界の金持ち国になったと説明してくださいました。



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執筆者:戸田敦也(2006年08月16日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com