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第366回 「人間の努力が客観的条件を越える」
日本が貧乏な時代、
資源がないとか、島国であると、
漢字を使っているとかいったことが
貧乏であることの理由に使われ、
のちに日本が裕福なくにになると
これらのことが有利に働いたと、
言われるようになりました。
なぜ、こういうことが起こったのでしょうか。
日下公人さんは、その間に、
日本人の“主体的努力”があり、
この“主体的努力”が「禍を転じて福となした」と
次のようにお書きになっています。
「島国には島国の有利性と不利性がある。
中小企業には中小企業の有利性と不利性がある。
両刃の剣、漢字も書きにくい。
覚えにくという短所だけでなく、
一度覚えてしまえば情報伝達手段としては
人間のパターン認識能力を
フルに使えるという長所がある。
そういう形で日本人は“主体的努力”を尽くして
小さい島国・無資源国・資本不足国・過剰人口論・
技術後進国などの『客観的条件』を
不利な条件から反対に有利な条件に
転化させていまった。」
(『日本経済“やる気”の研究』)
「生き抜いていこうとする日本人の意欲と努力」が
「客観的条件」が予想もつかなかった「結果」
をもたらすので、日下さんはこのことを
「客観的条件+主体的努力=結果」
という式も紹介してくださいました。
この日下さんの説明は、昭和58年頃、
私が新日鉄のある製鉄所で
労務の課長であったときに出会い、
なるほどと深く納得し、
各工場で新任の作業長が生まれたときの
研修の時の話として活用させていただきました。
20年近くなった今考えても
この解説や式には新鮮さと
深い説得性があるで
今回紹介させていたきました。
ついでに言いますと、
良い結果を招くには「運」という
要素も必要だということでしょう。
のちの日下さんの著作で、
「客観的条件+主体的努力+運=結果」
という式にお目にかかりました。
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執筆者:戸田敦也(2006年08月15日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

