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第365回 経済不振の要因がそのまま発展躍進の要因へ
昭和30年前後の頃は日本は国際的には
劣等国と思われていましたが、
日本が20年たった昭和50年代の始めには
アメリカやフランスと肩を並べ、
世界の金持ち国になりました。
なぜそうなったのか、日下公人さんが
昭和58年に出版した『日本経済“やる気”の研究』で
経済学関係者が説く要因として紹介してくださったのは
次のようなことです。
「第一に、日本は資源がなくて島国だったのが幸いした。
アッと驚くとはこのことだが、理由を聞くともっともである。
日本はロクな国産資源がなかったので
世界中からよりどり見どりで一番安価な
石油・鉄鉱石・飼料などを輸入できた。
第二に、日本人は人口過多だったのが良かったという。
人口過多のため国民はよく勉強しよく働いたのが
今日を築いた。
第三に、義理人情の経営も
今は成功原因に数えられえるに至った。
欧米の方が日本の経営管理を見習えということになった。
第四に、中小企業が多いのも
日本経済の強さの原因に数えられている。
事実、生産性の向上によるコストの引き下げ、
速やかで多彩な製品開発、画期的な新技術および
応用技術の進歩などは大企業より中小企業の方が顕著で
それが現在の日本経済の強さの基礎になっている。
第五に、資本蓄積の不足とか技術後進国とかの指摘は
雲散霧消してしまった。アメリカやヨーロッパが
日本企業の現地工場建設を希望してやまないないのだから、
この問題は意外に早く解決したものである。
また漢字についても、
日本のコンピュータ産業が世界を唯一つIBMに対抗し、
もしかしたら超越できる存在になったのは
漢字処理に取り組んだからとの説がでてきた。」
(『日本経済“やる気”の研究』昭和58年)
つまり、20年前、
日本経済が振るわない原因として挙げられたことが、
そのまま発展・躍進の要因として取り上げられる
ようになったのです。
なぜ、そうなったのでしょうか。
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執筆者:戸田敦也(2006年08月14日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

