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第357回 持株数が幾何級数的に増える株を狙おう

これから邱永漢さんにおいて
中国における成長株探しがこれまで以上に
活発化するようなの予感がします。
ところで、成長株買いとはあらためて
どういうことなのでしょうか。

そういう関心をもって『株が本命』を
再読すると、邱永漢さんが
昭和30年代半ばの日本で、
成長株探しに取り組まれた時の狙いが
次のように書かれています。

「株に関する限り私は全くシロウトだったから、
利回りを尺度とした当時の買い根拠に
素朴な疑問を抱いた。
私の目からみると、日本の経済は
これからドンドン発展をする。

発展すると、増資が繰り返され、
株の持ち数が幾何級数的に増えていく。
当時の増資方法は株主に対して
額面の50円で割り当てて行くから、
増資の度に持株の原価は
50円に近づいていく。

もし増資したあとも現配当率が維持できれば
株は常に時価へ戻ろうとする。
たとえば300円で買った株が倍額増資すると、
1000株持っていた人は2000株になる。
一方、30万円で買った株に対して
新株で買った株の払い込みは
5万円ですんでしまうから、
持株の株価は1株あたり170円に下がる。
それが再び300円まで上昇すれば、
35万円の投資をした株が60万円で売れる勘定になる。

もしそうだとしたら、
増資をしても減配にならない
業績の良い企業で成長力の強い
増資スピードの早い株ほど割がよいことになる。

一般にこうしたスピードは
小さな、時流にのった企業の方が
既に完成した大企業よりも早く、
従って小型成長株の方が
投資対象としては有利だということになる。」
(『株が本命』)

昭和30年代の後半の日本で
邱さんが「業績の良い企業で成長力が強く
増資スピードの早い株」に狙いを
定められたことがわかります。
こういう株を探し当てることができたら
持株数が幾何級数的に増えるところが
成長株買いの魅力で、
そこが単に値が上がりそうな株を狙うのと
異なる点ですね。



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執筆者:戸田敦也(2006年08月06日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com