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第356回 高度成長期に成長株が集中的に誕生する

私が邱永漢さんについて
中国の投資考察旅行に
参加したのは平成5年のことで、
もう13年も前のことです。

そのとき大連の機械製作工場を訪れました。
一通り工場を見学し、そのあと会議室に
案内されたましたが、邱さんから
「いま工場長からうかがったことですが、
この工場では5年分の注文が入っているとのことです。

高度成長期にはこういうことがあります。
昭和30年代半ばのことですが、
群馬の小島鉄工所にうかがった時、
10年分の注文を受けていると
聞かされました」

この話を聞き、私の頭は
大きな衝撃を受けました。
小島鉄工所の話は
邱さんの本にたびたび紹介されています。
何度か読んだことがありますが、
これは昔話で、今の自分には
関係のないことだと思っていました。

しかし、所変わって中国では
昔、日本で体験したことが
いま起こっているということに
気づいたのです、

日本に帰ると私はすぐ、
国会図書館に行きました。
邱さんが昭和35,6年の日本で
これが“成長株”だと思う会社を
“週刊公論”誌に紹介した記事を読むためです。

私は邱さんの文章が掲載されれているページを
コピーしてもらい、丁寧に読みました。
それから数年のちに、これらの記事が
一冊の本まとめられた“会社拝見”という本を
大阪の古本屋さんで見つけました。

今、私が開いている株の勉強会に
参加する人たちの間でこのときの
一連の記事のコピーや“会社拝見”が
読まれています。

そして読んだ人たち
「ここに書かれているのと同じことが
今、中国で起こっておるいるということですね。
昭和30年代半ばの成長企業について
邱先生がお書きになっている文章と、
いま、中国の株についてお書きになっていることは
論調において共通していますね」
と言います。

成長株は成熟社会の日本でも
ときどき現れますが、成長株が
集中的に生まれてくるのは
やはり高度成長期ですね。

邱さんによれば、中国において、
これから成長株がどんどん現れてくる
とのことなので、この宝の山探しを
存分に楽しみたいと思っています。



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執筆者:戸田敦也(2006年08月05日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com