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第355回 成長株という名の宝の山探しが本格化しそう

このところ、ずっと、邱永漢さんが
中国の成長株について
力をこめて書かれるので、
よく理解したい気持ちから
コラムを何度も読みなおし、
邱さんが目をつけてこられたことを
私なりに追い続けてきました。

そして、邱さんが目を見張った
都市ガスの分野で無名の銘柄であった
鄭州ガスや新海能源とか
公害対策の分野で頭角をあらわしている
東江環保が発揮しているパワーや
潜在力を見てきました。

こうした作業のあとで邱さんが
「成長企業に不況の風は吹いてきません(第2326回)」
でお書きになっている次の言葉を読むと
なんとなく予感したように邱さんご自身において
大きな変化があったことがよくわかります。

「不思議なことに、この時をきっかけとして、
私の中国産業界を見る眼が一変してしまいました。
つい最近まで私は
中国の一流会社の動向ばかりが目につき、
国の政策があたえる影響だとか、
為替相場や国際価格の変動がもたらす動きに
気をとられていましたが、その分だけ
中国の高度成長と消費市場の質的な変化によって
産業界の構造そのものが大きく変わることに
無頓着だったようです。

そこへ偶然にも水処理からはじまって、
道路工事はどうなっているのか、
都市ガスはどうなるのか、
また中国に武田製薬やエーザイのような
高収益の製薬会社がないのはどうしてかと
次々と疑問を投げかけて行くことになり、
二流株の成長が俄かに目の中に
とびこんでくるようになったのです。」

前にも書きましたが、
私のイメージする邱永漢さんは
骨格の出来上がった一流会社には目もくれず、
いまは幕下や十両だけど、
未来の横綱なりそうな会社に
関心をお持ちになる人ですから、
言い方がおかしいですが、
本来の邱さんに戻られたような印象を受けます。

あるいは、邱さんの琴線にふれるような会社が
ようやく、中国で現れだしたということかもしれません。

いずれにせよ、これから中国を舞台として
成長株と言う名の宝の山探しが本格化しそうで
何となく心のトキメキを感じるようになりました。



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執筆者:戸田敦也(2006年08月04日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com