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第354回 成長産業の要件を満たす環保企業は一社だけ
前回,中国で公害事業が成り立つ時期が来ていると
邱永漢さんが伝えられたことを紹介しました。
邱さんによれば、中国では
汚水処理や廃棄物の処理を「環境保全」、
略して「環保」という二字で表現し、
上場企業にも「環保」と銘打った会社が
いくつもあるとのことです。
早速、インターネットで調べると
天津市政府の企業である
(1065)「天津創業環保」 (テンシンキャピタル)、
傘下に「光大環保能源」とか
「蘇州市光大環保産業園」とか
「環保」の子会社を持つ(0257)中国光大国際
(エバーブライトインター)(レッドチップ)、
そして(8230)「東江環保」(トウコウカンホ)(GEM)
などの名前が出てきます。
こうした「環保」の仕事に従事していれば
いずれも成長株だというわけではなく、
成長産業であるためには、次の三つの要件を
満たす必要があると邱さんは注文をつけられます。
1つは「政府役人の天下り先でないこと」です。
役人が中心の会社は企業意欲が低いし、
事業採算を考えず、成長率も低くなるという判断です。
2つは「一年に50%程度の成長が
見込まれていること」です。
中国は現在、成長率が10%を越え、
その中でニーズの高い仕事だから
この程度の伸びがあってしかるべし
ということでしょう。
3つは「一地方に限られず全国展開をしていること」。
多くの環保企業は、カバーするエリアが
それぞれの地方に限定されていて
全国的スケールで発展する方向に
動いていないとのことです。
こうした3つの条件でふるいにかけると
合格する企業はいまのところ
「東江環保」一社だけというのが
邱さんの判断です。
たしかに「東江環保」は深センに拠点に
産業廃棄物の回収から再利用販売を行い、
上海、成都、恵州に処理センターでも
事業を展開しつつあります。
また業績の推移を
2003年、2004年、2005年にかけて
追ってみますと、
売上高は37%,116%,58%、
純利益は33%、61%、11%と
それぞれ高い伸びを見せています。
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執筆者:戸田敦也(2006年08月03日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

