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第351回 なぜ今、成長株がよく取り上げられるのか?
私がイメージしている邱永漢さんは
骨格が出来上がった一流企業には関心を持たず、
これから成長することが見込まれる小さな会社に
格別の興味を示されます。
実際、これまでも中国株の中で、
この株は今後伸びそうだと思われる株に
目を注いでこられました。
例えば2001年ことですが
「成長株が売り叩かれた時がチャンス(第490回)」
と言って、株価が極端に下がった「方正香港」に
目を向けられました。
2002年には
「高速道路株がこの次の成長株です(第805回)」
とこの時点ではまだ道路を利用する車は
それほど多くはなかったのですが、
道路ができあがってきたので、
これから走る車が増えるに従い、
高速道の利益は確実に上がってくると
高速道路株に目を向けられました。
また2004年には
「製紙メーカーは中国では成長株です(第1469回)」と
中国では電気製品がたくさん買われるので、
それらを梱包する段ボール箱が増えてくると、
紙をつくる会社を推奨され、私など
その豊かな推理力に感心させられました。
同じく2006年には
「損害保険と生命保険が成長株の柱に(第1754回)」と
これから中国人の所得が増え、
命の値打ちが高まるので
共産主義時代の中国には存在しなかった
「損害保険」とか「生命保険」が
これから重要視されるようになるともおっしゃいました。
これらの予想の中には「香港方正」のように
途中で見方を変えられたものもありますが、
多くは邱さんの予測が的中しています。
このように、邱さんはこれまでも
これから成長する会社に関心を払って
こられたのに、最近、
「一流株から成長株に選手交替します」とか
「成長株中心の株価に変わりそうです」
とことさら「成長株」のことを
おっしゃるのはなぜだろうかと
私は不思議に思い続けてきました。
このようなご意見は
邱さんが都市ガスとか、
廃棄物、汚水処理の専業メーカーとかの
会社の存在に出会う中で
主張されるようになってきました。
考えれば、中国ではいまだ成長株が
続々と排出されているという状態にはなく
そう言える様になるのは、これからなのだ
という認識が邱さんの頭のなかで
深まってこられたからかなと
想像しています。
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執筆者:戸田敦也(2006年07月31日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

