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第346回 配当利回りが金利を下回るのが利回り革命

前回、昭和30年代の日本では
株には上がり下がりのリスクがあり、
その配当は定期預金を上回るのが当然と考えられ
利回り中心で株が売買されていたことを紹介しました。

しかし、先日、邱さんは
「『利廻わり革命』が中国株にも起りそう(第2319回)」
で、かつて日本の株式市場で起こった
「利廻わり革命」と似たようなことが
今後、中国で起こるのではないか
とお書きになりました。

ここでいう“利回り革命”とは
どういうことなのでしょうか。
昭和58年に出版された
『邱永漢の株入門』の中で
「株の配当はあてにできるのか」という
質問への回答そして、邱さんが
次のように説明されています。

「戦前は配当金が6パーセントから
8パーセントありました。
当時の定期預金の利子を6パーセントとしますと、
株の配当は増えたり減ったりして不安定だから、
それより多い7パーセントか8パーセントくれるのが
あたりまえだと、考えられていたのです。

ところが戦後になって、
いわゆる利回り革命なるものが起こった。
株は利回りでいくらもらうかより、
この会社に将来性があるか
どうかによって売買するものだというふうに
考えが変わったのです。
そのために、50円の株でも、
1500円、2000円で
売買されるようになった。

50円の株で2割配当したって、
たったの10円しか配当ですよ。
株価が1500円いたら、
一年間に1500円に対して10円しか
配当がないわけですから、
1パーセントにもならないんです。

これはだれが考えたってバカらしいでしょう。
ですから、配当金を当てにしている人は、
ほとんどいません。
みんな上がり下がりだけを考えています」
(『邱永漢の株入門』58年。『株の原則』)

以上の説明によれば、
「利回り革命」とは
会社の将来性が高く評価され
この会社の株価は将来、ドンドン高くなるのでは
ないかという期待から株価が高くなり、
その結果、その株の配当利回りが
一般の預金金利を下回るようになる
現象のことを指すようですね。



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執筆者:戸田敦也(2006年07月26日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com