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第345回 昭和30年代の投資尺度は利回り
最近、邱永漢さんは
中国株投資の今後の姿を展望されていますが
その際、日本の株式投資が歩んできた道を
大いに参考にされています。
邱さんにとって、
日本の株がたどってきた道は懐かしいものでしょうが、
私のように邱さんより20歳ばかり下の読者は、
日本の証券投資のヒストリーについては
知らないことが多いです。
まして、私より若い人となると
もっと知らないと思います。
そこで邱さんご自身がこれまで書いてこられた
文章を教材にして、日本の証券投資の歴史を
学ぶことにしましょう。
まずは日本の成長経済が
始まる昭和30年代の様相です。
「私がはじめて株を手がけた昭和30年代は
鉄の時代のスタートした時期であったから、
当然資産株を代表するものは、製鉄メーカー、
もしくは、鉄を最も多量に使用する
総合電機メーカーであった。
人々の投機の尺度はそうした日本を代表する
超一流株を利回りでいくらになるか計算して
安い高いを判断し、安ければ買い、
高ければ買い控えるということであった。
たとえば
当時の一年定期預金の金利は6%であった。
株式の配当金は定期預金の利息に
比べると不安定なもので、
定期預金の金利より少し高目
というのが正常と考えられていた。
だから利回りが6%を割れば
株価が高目であると受け止められたし、
反対に7,8パーセントであれば
買い余地があると考えられた。
また増資が近づき増資後も
同じ配当率が期待できる場合は
利回りが増大するので、
更に上値が買われた。」
(『株が本命』昭和63年)
これで、昭和30年代は日本の株が
6%から8%で回されていたのだ
ということがわかります。
そして、いま中国株は配当が高いと
受け止められていますが、
この点についていえば、今の中国株は
利回りが投資尺度であった頃の日本株と
似た段階にあるといえるのかもしれません。
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執筆者:戸田敦也(2006年07月25日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

