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第343回 一株当り利益を上げる会社のすすめ

「ハイハイQさんQさんデス」で邱永漢さんが
「香港での中国株買いが白熱化する可能性も(第2301回)」
「外人投資家の見方が中国株に影響する段階に(第2304回)」
と刺激的なタイトルで最近の中国の株式投資見通しに
ふれられたことを受け、私はふと、
昭和50年代の半ば以降の日本で
邱さんが体験されたことを思い出しました。

ところで、それに続く
「一流株から成長株に選手交替します(第2305回)」
を読ませていただくと、次のような順序で記述が進められています。

(1)「経済成長がはじまると、その国を代表する大企業が
先ずその恩沢に浴すようになる。」

(1-1)「日本をついて言うと
総合電機メーカー(日立、東芝)、製鉄会社(八幡、富士)、
炭鉱業者(三井三池、北炭)、造船メーカー(日立造船、三菱重工)
が目ざましい業績をあげ、なかでも繊維
(日清紡、東洋紡、鐘紡、東レ、帝人)が儲け頭になった。」

(1-2)「高度成長が所得水準を押し上げるようになると、
家電メーカーが成長のトップを切るようになり、
それが自動車ブームや不動産ブームに波及して行った。」

(2)「産業界の代表選手が入れ替わる。
石炭と繊維と海運が斜陽化産業に組み入れられ、
成熟社会になると家電メーカーや不動産業者や
ゼネコンまでその後を追うようになった。」

(3-1)「いま中国において
日本と全く同じことが起っているわけではないが、
家電メーカーは大量生産体制が整った関係もあって、
既にコスト高の製品安に悩むようになり、
資源不足で値上がり益で潤った資材関連企業も
値上がりが一服して、これ以上の値上がりは
あまり期待できない段階にきている。」

(3-2)「利益を押し上げる力を失った
チャンピオンの選手交替が起って、
新しいチャンピオンが成長を推し進める。
中国の高度成長もいよいよ第一次の選手交替を
する時期にさしかかったようだ。」

(3-3)「一株あたりの利益が停滞期に入る企業と、
今後なお成長し続ける企業を選別しなければならない。」

このエッセイを読んで、邱さんは
昭和30年代から昭和60年代くらいまでの
日本の産業界の中で起こった
新陳代謝の流れを参照しながら、
いま中国で産業の隆替が起こっていており、
チャンスを得ようとするなら、今後も
一株あたりの利益を上げていく会社に
目をつけるのがよいとおっしゃっている
ことがわかりました。



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執筆者:戸田敦也(2006年07月23日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com