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第308回 「名人のマネをすれば名人になれる」

成熟化した世の中で
お金が使われている順位が
どうなっているかについて書かれていた一冊が
『一番悪い時が一番のチャンス』だ
ということを思い出し、
この本を手にとると、
「時代が見えない人は『見える人』についていけ」
という見出しが目の中に飛び込んできました。

ここには次のことが書かれています。
「世の中はつねに変化していくものです。
トレンドも変わり、ファッションも変わります。
それを敏感に察知し、対応することが大切です。
魚の泳いでいく方向がわかれば、
少し先へ行って、そこに釣り糸をたらして
待ちかまえていれば、おもしろいように
かかってくるものです。
魚釣りの名人とそうでない人の
違いのようなものでしょう。

そいうは言っても、誰もが
釣りの名人というわけにはいきません。
では名人でない人に魚は釣れないかというと
そういうことはありません。
たとえば、昔、小林一三という名人がいました。

彼は世の中の変化がよく見えた人でしたが、
東急の五島慶太はその変化が見えない人でした。
五島は、自分が見えないことをよく承知していて、
自分もしょっちゅう小林一三のところへ
意見を聞きにいきましたが、
自分の部下のところへ聞きに行けと命じたそうです。

小林一三が阪急電鉄をつくったら、
五島慶太は東急電鉄をつくる。
阪急デパートをつくたら自分も東横だパートをつくる。
なんでも次々とマネしたそうです。
『同じ柳の下にドジョウは3匹いる』と言いますが、
3匹目は取り逃がすことはあっても、
2匹目は必ずとれます。
東急が大企業になったことが
このことを証明しています。

だから才能のない人でも
才能のある人を師匠として
そのとおり忠実にやれば、
成功できるのです。」
(『一番悪い時が一番のチャンス』)

私も「才能のない人」の1人ですが、
「才能のない人」もやり方いかんで
チャンスがつかめるなんて
こんな素晴らしいことはありませんね。

いい気持ちにさせていただいたところで、
新しい事業を創り出すことをテーマとした文章は
この辺で一休みさせていただきます。



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執筆者:戸田敦也(2006年06月18日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com