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第276回 1ドル7元台は元高の流れの中の通過点
おとといの5月15日こと、
新聞の夕刊を開いたら、
「人民元上昇、7元台に」
という見出しが目の中に
飛び込んできました。
新聞によれば、中国人民銀行(中央銀行)が
この日の為替レート変動の中心となる指標として
毎朝、発表する「基準値」を
1ドル=7・9982元に設定したとのことです。
中国の人民元が事実上の米ドル連動制を放棄し、
主要通貨(米ドル、欧州ユーロ、日本円)を対象とする
「通貨バスケット」を参考にする管理変動相場制に
移行したのは昨年7月21日のことです。
この時、中国人民銀行は、
1ドル=8・2765元から、
1ドル=8・1100元へと
元を対ドルで2%強切り上げました。
この時の切り上げ後のレート
1ドル=8・1100元と対比すると
今回、人民元は約1.4%上昇したことになります。
目を円の推移に転じると、
日本円が1971年のニクソンショック
(金とドルの交換停止)の後、段階的に上昇し、
1973年に固定相場制から変動相場制に移った
ことが思い出されます。
その直後に、1ドル=301円から
1ドル=260円台まで円高が急速に進みました。
通貨当局が市場介入し、また石油ショックによって
経常収支が赤字となって、円高が止まり、
相場は円安に向かいました。
しかし石油ショックを乗り切った1977以降
円高が急速に進んだわけです。
この円高の進行を促進したのは、
日本で大幅な貿易黒字が続いたことで、
今の中国で同じような貿易黒字が続いています。
こうしたことを考えると人民元は
今後高くなっていくことが必至で、
今回の1ドル7元台への突入は
そうした流れの中での
1つの通過点のように見えます。
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執筆者:戸田敦也(2006年05月17日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

