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第238回 「ムードのいいところは賑やかになる」

今日は、友人たちと、
渋谷、原宿、日本橋など
私が投資したマンションを見て歩きますが
一昨日、下見のため原宿の表参道を訪ねた時
邱永漢さんがかつて糸井重里さんに
「不動産はムードのいいところが良い」
と話されていたことを思い出しました。

作家の中村うさぎさんも
参加されての鼎談ですが、
三者の間で次のような会話が行われています。
(出典:「ほぼ日刊イトイ新聞;婦人公論・井戸端会議」)

糸井  僕は昔、あるパーティーの席で邱さんから、
「糸井さん、土地買っておいたらどうですか」
と言われたことがあったんです。バブルの前ですが。

邱 おや、そうでしたか。

糸井 「金はないし、だいいち、
 どういうところを買えばいいかわかんないです」
と僕が言ったら、邱さん、
「ムードのいいところを買いなさい」
とおっしゃった。
学校が近いだの何だのっていう不動産屋の軸じゃなく、
「ムードのいいところ」という言葉に、
僕はシビれましたね。

邱  僕の住んでいるところを見てごらんなさい。
最初に事務所として買ったのは表参道の四つ角、
その次に買ったマンションが公園通り、
その次に建てた本社ビルは渋谷、
今、家があるのは代官山。
ムードのいいところを選んだら、
しばらくすると、そこがものすごく賑やかな街になるんです。

中村(うさぎ) ムードがいいというと?

邱   たとえば表参道は、シャンゼリゼに似てると思った。
それであるときカミさんと表参道を車で走ってて、
信号が赤で止まったときにひょいと左を向いたら
「売家」の看板がある。
「ここはいい場所だね」
とカミさんと話して、
信号が青になるまえに素早く電話番号メモして、
その日のうちに売り主と交渉ですよ。
そんなふうに、「なんとなく、この場所は」というのがあるんです。

以上の話を原宿を訪れた際に思い出しました、
“ムードのいい不動産の探訪コース”というのも
面白いなあと思ったことでした。
動けばいろいろなことが頭に浮かんできます。



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執筆者:戸田敦也(2006年04月09日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com