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第180回 所得が上がるとコーヒーを飲みだします
昭和18年生まれの私などが
物心がついた自分といえば
敗戦から間もないころでしたから
食生活は質素でした。
子供のときの楽しみといえば
遠足ですが、その楽しみの一つは
ゆで卵にありつけることでした。
目的地に着き、前の日に母が
ゆでてくれた卵の皮をむいて
食べることが、贅沢なことを
していると感じたものです。。
またすき焼きなどというものも
一年に何度かしかありつけない
たいへんなご馳走でした。
とくに卵をとかして、煮た肉と
一緒に食べたときのことは
今でもよく覚えています。
それがいつごろであったか、
お昼の時間に、食パンが出てきて、
トーストというもので焼き、バターをつけて食べ、
コーヒーとかココアを飲んで味覚を味わう
ようになり、食卓が一挙に豪華になりました。
今から思えば食べ物が西洋化してきました。
自分の体験したことしかわかりませんが
日本では昭和30年代前後に多くの家庭で
このような変化があったのではないでしょうか。
日本の各家庭で起こった変化が
昭和47年以降の台湾でも起こったと
邱永漢さんはお書きになっています。
そうした過去の体験から容易に類推されることは
いま経済が発展し所得がどんどん高くなっている
中国でもやがてコーヒーなどを飲むようになる
のではないかちうことです。
邱さんはこうした流れを視野にいれて、
今回のコーヒー事業に着手されたのだと思います。
そういう意味で私は、邱さんのコーヒー事業は
“先読みの所産”だと思っています。
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執筆者:戸田敦也(2006年02月10日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

