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第159回 先を読める人に耳を傾けるのが賢明

先を読むなんていうことは
自分にはてもとできたないと思えば
先が読める人のいうことに
耳を傾けるのがいいと思います。

私は福岡県の北九州市というところで
新しい事業を企画しなければならなくなったとき
邱さんから日本を支配する潮流は
「老齢化、成熟化、国際化」であると
教えてもらい、そのうち「老齢化」
の流れに目をつけました。

また邱さんの昔からのお友だちである
高島陽さんとおっしゃる方が
『社長のメシの種』という豪華な
写真入の本を出版されていて、
その本のなかで東京では、
お年より向けのケアつきの事業が
運営されていることが紹介されていました。

いずれも本を通して知っただけのことですが
こうして手に入れた知識や知恵を借用して
私は会社の病院に隣接していた
管理職社宅の跡地にお年寄りの向けの
終身介護制のマンションをつくることを
企画しました。

もっともこれから建てようとしているマンションに
どういう年齢層の方が入ってくれるのか
は想定が付きませんでした。

当時、私は43歳でしたが、自分の両親が
60代半ばで亡くなっていたということもあり、
70代、80代のお年寄りの
イメージがつかめなかったのです。

そんな頼りない状態で
企てたマンションではありますが、
この事業が提供するものが
時代の求めるものと合致していたのでしょう。

この事業は売り出しをかけた時から
たくさんの引き合いと注文が入り、
マンションが完成して、サービスを提供する前に
そのために必要なお金が集まり、
運営に当たった会社は銀行から
お金を借りる必要がなく、無借金の状態で
経営を始めることができました。

多くの人の努力で動き出した事業でしたが
そもそもの出発は、私が邱さんの本を手にとり
「これから世の中はどういう方向にすすむと
先生はお考えですか」と聞きながら活字を追い、
自分の関心にふれる箇所に出合ったことです。

こういう体験をもっていますので、
「これからどうなるのか」ということを
考えなければならなくなったとき、、
自分が「この人は先が読める人だ」と
信頼を寄せる人の意見に
耳を傾けるのがいいと思います。

最終的に、どうするかは自分自身で考え、
行動することではありますが。



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執筆者:戸田敦也(2006年01月20日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com