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第150回 不動産選びの実際感覚を身につけましょう

「経済はめまぐるしく変るので
過去の経験は役にたちません。
経験はかえって邪魔になる場合があります」
と邱永漢さんはよくおっしゃいます。

たしかに、不動産を買う場合
頭金とローンの関係をどうするか
といったことについては
昔の方法はいまの時代には通用しません。

インフレの時代はお金の回りもいいですから、
頭金は1割とか、2割とかにして、
あとは銀行からの借金でまかなうといった
方法がとられましたが、デフレの時代は、
お金の回りが鈍いですから、極力、頭金を殖やし、
返済の必要なローンは少なくする必要があります。

こうしたことはいまの時代の傾向を考え、
決めなければなりませんが、こと、賃貸にまわす
不動産はどんなものがいいのかの基準については、
前々回からご紹介してきた「投資向け不動産が
満たすべき要件」が不変の鉄則だと考えています。
こういう要件を満たす不動産には、
不景気のときでもテナントが入るからです。

実は、昨年のこと、株のことをテーマにしたセミナーに
参加された若い女性が次のように話されました。
「東京周辺の不動産を手に入れたいのですが、
とても自分の力では手に入れることはできません」

私はこの話を聞くなり、20数年前の自分を
見ているような気持ちになり、そのあとすぐ
自分が最初に買った渋谷のマンションに案内しました。

また、その場で、そのマンションを手に入れたときの
実状をお話し、渋谷の次に、東京駅前とか、横浜の関内とかの
マンションを買い、うまく言っていることを伝え、
これらのマンションを見て回ると
「テナントが途切れないマンション」の実例に接し、
不動産選びの感覚がつかめるのではと思い、
これらのマンションの「見て歩き」を提案しました。

その女性はその場で参加したいととおっしゃいましたので。
昨年、不動産投資に関心のある方たちに声をかけ、
ご案内しました。先日のこと、そのとき参加いただいた
男性の方と、新橋の駅でばったり出会いました。

「あのときは参加いただいてありがとうございました」
と私が声をかけると、その方から
「戸田さんに連れていっていただいたようなマンションを
手にいれたいと思って、いま不動産屋さんに
探してもらっているところです。まだ決まってはいなのですが」
と近況を伝えてくださいました。

自分のささやかな体験が他の人にも
多少、役に立っているみたいだと感じ、
楽しい気分にさせていただきました。



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執筆者:戸田敦也(2006年01月11日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com