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第146回 財産設計の積み上げどういう手段で行うか

邱永漢さんは昭和58年に発刊された
『人生後半のための経済設計』という本の
「40歳からの生き方、考え方」という章で
「40歳からの老後への準備」として
次のことを述べられました。

「年をとったあとのための財産設計は、
まだわかいうちに少しずつ積み上げていくより
ほかないが、その積み上げを何でやるかは問題である。

方法はいろいろあるけれども、手段としては
『現金』、『有価証券』、『不動産』、『身につける技術』の
四つしかない。

右のうちで現金で貯金する人が一番多いが、
現金は目減りが激しいから、実は財産づくりの手段としては
あまり妙味がないのである。

有価証券はその点いわゆる
物的財産といわれ、現金よりましだと考えられているが、
いくら会社が金を儲けても、増配してくれることはめったにないし、
インフレが激しくなると、人件費や間接経費が増大して
ソニーや松下電器の株を買うのならともかく、いっこうに
上がらない株を買った人は、幸福の鍵を握ったことにはならないだろう。

これに対して学問とかおけいこ事とか技術といった『身につく技術』は、
一生人についてまわるものだから、生きた財産設計といえるだろう。
ただ『身につく財産』は、身そのものが年とともに衰えるから、
これまた目になる別の財産に置きかえていかないと駄目になる。

財産価値のあるうちにせっせとかせいで目減りのしない財産、
たとえば不動産のようなものに移し変えておく必要がある。」
『人生後半のための経済設計』

この本が出版されたのが昭和58年でインフレが
時代の傾向であったことを頭に置きながら読む必要がありますが、
財産を積み上げていく手段は4つあるといった記述は
今の時代の若い人たちにも参考になると考え
抜粋させていただきました。



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執筆者:戸田敦也(2006年01月07日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com