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第138回 いずれ世界中のお金が中国に向うでしょう

中国の前途に思いをいたす時、
私などが成長下の日本で会社の一員として
働き、生活してきた頃のことが思い出されます。

昭和55年頃のとき、私は37歳で、
新日本製鐵で働いていました。
当時、お金がなかったので、
株は買っていませんでした。
株は買わないけれども、
株は生きた経済の勉強になると思い、
証券会社が発行するパンフレットのようなものにも
目を通すようにしていました。

その頃のこと、新聞広告で
証券会社が上質でページ数の多い
パンフレットを発行することを知りました。
証券会社の店頭にに出向いて
パンフレットを手に入れたように思います。
本当に分厚いノートのような
立派なパンフレットでした。

説明によれば、世界中から日本の株を
買いにくるとのことで、そのことを
日本の投資家にも知らせ、
もっともっと日本の株を買ってもらおう
ということであったと思います。

もう一つは邱永漢さんが株について
お書きなった本を読んで知ったことですが、
昭和57年10月、外国からの買いが入り
ダウが突然上がり、特に日本を代表するような
30銘柄くらいの株が、一斉に暴騰し、
邱さんはこの新しい現象に興奮されたとのことです。

この二つの出来事は私の頭のなかでは
バラバラに記憶されていましたが、
中国の株の前途に思いをいたすなか、
この二つが一連の出来事として
結び合わされました。
二つの出来事は日本の経済力の高さが
世界に認められる過程で起こったという点で
つながっているのです。

そして、このような形で日本に起こったことが
いずれ、中国にも起こるようになるだろう
思うようになりました。
資源の高騰、元の切り上げ、など
中国の会社にとっては不利な条件が容赦なく
降りかかってくるでしょう。
でもそれらと戦うなかで中国の会社の経営体質は
より強靭なものになって行くように思います。

今は米国の投資家バフェットさんが
石油の会社の株を買い、株価が上がったことが
話題になったりしていますが、
このことが大きく報道されるということは
世界中の人たちはまだ中国の会社のことを
知らない、あるいは信頼を置いていないことを
示しているように思えます。

しかし、いずれはこうしたことも解決されるでしょう。
そうなると、広く世界中のお金がワーッと
中国に向かう時期が来ると思っています。
そういう意味からも私は中国の会社の株とは
これからも長くつきあっていきたいと考えています。



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執筆者:戸田敦也(2005年12月30日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com