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第129回 「これから、どの株を整理しようかな」
前回、私の友人が邱さんに、
「株を見切る時、どういうことに
主眼を置かれるのでしょうか」
と質問したことに対して、邱さんが
答えられたことを紹介しましたが、
半年ほど前のこと、邱さんを訪ね、
あれこれ話しをさせていただいた
ときのことを思い出しました。
そのとき、邱さんは、株のことにふれ
「株をやるとき、みなは、どれくらいの値段で
買った株のことを忘れるのを難しく感じるようだね」
と話されました。
そして、「私に会うと、いつも
『先生が、いま整理しようと考えておられる
株はどれですか』と聞く人がいるよ」
ともおっしゃいました。
その時点では、私は邱さんのおっしゃっていることが
十分、飲み込めませんでした。
ですが、私の友人の質問に対して答えられたことを
よく読んでみると、「みな、買った株のことを
忘れるのを難しいと感じるみたいだね」というお話は、
「株は、買ったときの値段は別にして、
今の時点で買うに値する株か、あるいは
今だったら買わないかの判断が重要で、
もし、今でも、買いたいと思うなら、
その株は持ち続ければいいし、
今だったら買わないとおもうなら、
買ったときより下がっていても、思い切って
処分するのが賢い」という趣旨だった
ということがわかります。
また邱さんに会うたびに
「いま整理しようと考えておられる
株はどれですか」聞かれる人がおられるという話は、
株をやっていえば、ときに見誤ることもあり
見誤った株については、「見切ることが大切だ」と考え、
日々「見切り千両」を発揮している人が
身近にいるよというアドバイスだったのですね。
あるところで、邱さんは、
「株についても、場合によっては、思い切って、
捨てるだけの勇気を養う必要があります。
自分の経験では売ったあと値上がりをして
損をしたなあと頭をかく銘柄よりも、
あの時思い切って斬って捨ててよかったなあ
という銘柄の方がずっと多いようです」
とおっしゃっています。
半年ほど前に邱さんにお会いした時
お話いただいたことを思い出し、自分なども
いつも「どの株を整理しようかな」と自問し
当分、回復しそうにない株などは思い切って
処分していく境地を開拓していこう
との思いを深くしました。
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執筆者:戸田敦也(2005年12月21日)
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邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。
■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com

