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第52回 「創業」には「先読み」が必要です

「守成」の仕事に比べたら
「創業」の仕事は比較にならないくらい難しい、
というのが私の実感です。
「仕事は楽しんでやるものだ」とは思いますが、
「創業」の仕事である「新規事業づくり」に
取り組んでいたとき、「楽しいなあ、面白いなあ、」
と思ったことはあまりません。
心の面で苦しみを感じることの連続で
できることならこういう仕事からは
早く逃げ出したいと思っていました。

「創業」の仕事は今の世にない
新しいことを生み出すことで、
ワクワクするような心のふるえを
感じてもいいはずです。
ところが、実際は「しんどいなあ、苦しいなあ」
という感情の連続です。
どうして、そんな気持ちになるのでしょうか。

理由の一つは、「創業」には
先読みが必要で、これがとても難しい
ということだと思います。

これまでないことを生み出すには
これからの時代のなかで、世の人に
迎え入れてもらう必要があり、
そのためには、これからの時代の中で
必要とされるものを探り当てることが必要です。
つまり先読みが必要なのですが、
これが難しいのです。

私たちはこれまで通ってきた道のことは
よく覚えています。
あの頃はこうだった、ああだったと
昔のことならいくらでも思い出すことができます。

ところが、これから先のこととなったら
さっぱり頭が働きません。
もともと、これから先どうなるのかと
いうようなことは普段、考えたことがありません。
そういうやりなれないことをして、
見えない将来を描きだす必要があるので
「創業」の仕事に大きな負担を感じるのだと思います。

執筆者:戸田敦也(2005年10月05日)

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■戸田 敦也 (とだ・あつなり)
toda.jpg 邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。

■戸田敦也さんへのメールはこちらまで: todaatsunari@gmail.com