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旅は電卓と二人連れ(H9.5.1/新潮文庫)
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出版:H9.5.1/新潮文庫 ¥735 一年の大半を海外で生活する著者が提供する旅の知恵、美味しいお話。 |
【読後感想をいただきました】
この本は前半が「電卓と二人連れ」、後半が「新型老人見つけた」 という構成になっていて両方とも1992年頃に書かれたものです。
前半は中国、香港の話が中心で、買物やレストランでのエピソードから、 香港が97年に返還されてからの大陸や香港の行く末についても書かれています。 香港の人々が財産を整理したり移民先を確保している一方で、 邱さんは大陸の香港化が進む、と 非常に説得力のあるわかりやすい文章で解説してくれています。
その中でも、“将来の予想をするのに、 過去もしくは現状を基準にして物事を判断してはいけない” とおっしゃっている部分は、香港の将来に限らず、 何事にも共通する考え方だと改めて思いました。
後半は旅行の話もさることながらファッションから 糖尿病のお話まで多岐に渡っていましたが、 私が一番興味を持ったのは 「仕事を道楽にすればいつも若い」というエッセイです。
そこには、“先ず本職があって趣味が二の次である。 他人の趣味についてとやかく言う積りはないが、 できれば本職がそのまま趣味になっている生き方をしたいと思っている。 そのためには偶然に選んだ職業であっても 自分がそれを好きになればよいし、 自分が好きなことを自分の職業にしてもよい。 (中略)人生にとって一番大切なことは 嫌な相手と家庭を営まないことだが、 それについで大切なことは嫌な職業につかないことであろう。”とあります。
働くのはパンのため、と割り切って就職した私ですが、 今となっては邱さんの言葉が身にしみるように理解できるようになっています。
東京/伊佐笑子
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